DOI WATCH BLOG

腕時計と私の日常

未来の独立時計師。

日本で数少ない時計専門学校、ヒコ・みづのジュエリーカレッジ。今回は、卒業製作展が表参道のスパイラルで行われたので足を運んだ。

3年制のウォッチメーカーマスターコースを修了した後、1年間時計製作を行うことができるのが「研究生」だ。

私にとって大先輩である関さんは、その研究生の短い期間に素晴らしい作品を作り上げられた。

 

f:id:doiwatch:20200301094906j:image

 

球体ムーンフェイズが目を惹く、この懐中時計。レギュレーター表示の時・分・秒が非常にバランスよく配置されている。また、デジタル表示の月と日付も特徴的だ。

 

f:id:doiwatch:20200301094903j:image

 

文字盤の細かい彫り込みやデザインも含め、ジョージ・ダニエルズの時計を彷彿とさせる、とてもクラシカルな雰囲気。


f:id:doiwatch:20200301094900j:image

 

懐中時計でありながら裏スケというのも斬新だ。

自ら手作業で設計から加工、仕上げまでを行われたというムーブメントの美観は、なんと表現すればよいだろうか。コート・ド・ジュネーブのみならず、テンプ受けに施されたエングレービングが、美しさを更に際立たせている。

 

正真正銘、世界でたったひとつの作品を見ることができたことは、とても光栄なことだ。この貴重な機会に感謝したい。