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腕時計と私の日常

ステファン・クドケ氏来日!イベントフォトレポート。

こんにちは。Doiです。

今回は、日本橋三越で行われたステファン・クドケ氏によるトークショーイベントに参加してまいりましたので、その様子をレポートしたいと思います。

 

まずは人物についてご紹介を。

ステファン・クドケ氏は、今年自社製ムーブメントを発表し、AHCIの準会員になった時計師・彫金師です。

ドイツのグラスヒュッテにある時計学校を卒業後、グラスヒュッテ・オリジナルで複雑機構を搭載したムーブメントの開発・製作を担当。

その後はオメガやブランパン、ブレゲ等の修理業務を経た後に独立し、自社ブランド“KUDOKE”を設立されました。

 

なんと言っても彼が作る時計の特徴は、スケルトナイズされたムーブメントに描かれた生き生きとした動物達の姿です。

手作業での加工が彼の手によって行われます。まさに一点もので、時計と言うより芸術品を呼ぶべきでしょう。

 

 

さて、今回のトークショー日本橋三越のウォッチギャラリーにある、独立時計師の作品が集うスペース“Cal.BAR”にて行われました。

 

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クドケ氏登場で拍手!

自身でブランドの経緯や時計の紹介、製作方法まで細かい説明を聞くことができました。

その様子をスライドでご紹介。

 

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クドケ氏の経歴。


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実際の作業は、既存のムーブメントを切り抜いていく事から始まります。

主にETAの6497、6498等が用いられます。


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面取り作業。スケルトンは面取りするところが圧倒的に多いのです。


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このように綺麗に角が落ち、美しい鏡面に磨かれています。


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クドケ氏が最も得意とするのがエングレービングです。様々は模様や生き物などのモチーフを描きます。

掘っている際に滑ったら全てが台無しになってしまうため、非常に慎重な作業です。


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エングレービング後は電気メッキ処理をします。メッキの色の違いを利用し、マスキングを行っている物もあります。


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針の磨き等も行い、これで完成となります!いかに大変な作業なのかがご理解いただけると思います。

 

それでは実機をご覧ください。

 

・パンダ

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・レギュレーター
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・オクトパス
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KUDOKEといえばこの時計、と思われる方が多いでしょう。

ムーブメントのみならず、ケースにまでエングレービングが施されています。


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また、ETA 2824-2を搭載した中3針タイプもあります。

 

・ドラゴン


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・スカル

 

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・レディースタイプも。

 

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そして...

私が注目している新作が、新しいコンセプトで製作され、自社製ムーブメントを搭載したKUDOKE1とKUDOKE2です。

 

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こちらのKUDOKE1は非常にシンプルな3針タイプです。一切の無駄を省いたクラシカルな雰囲気がたまりません...。

針の形状は独特ですね。


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KUDOKE1からスモールセコンドを省いて昼夜表示を加えたのが、こちらのKUDOKE2です。

12時位置のサン&ムーンディスクは手作業でエングレービングされており、シンメトリーなデザインが非常に見やすく感じます。


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これらの2つの時計に搭載されるムーブメントが“Kaliber 1”(カリバーワン)です。

やはり最も目を惹くのは、中央に位置するテンプ受けでしょう。これは、クドケ氏が所有していた19世期につくられたイギリス製の懐中時計にインスピレーションを受けてデザインされたそうです。エングレービングの模様も非常に美しいですよね。

また、割と粗め(?)の梨地の受けは手作業によって仕上げられます。これは、サンドブラスト加工機でもラング&ハイネのような豚毛ブラシを使っているのでもなく、細かい砂を敷いた板の上で擦りつけていくのだそうです。

 

 

いかがでしたでしょうか。

クドケ氏が手がける芸術品の世界を堪能することができました。

 

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最後に、クドケ氏から直接サインをしていただく事ができました。憧れの方からの直筆サインは、一生の宝物です。

 

そして...彼の作品に感化された私は、早速中華ユニタスを買ってスケルトン加工を始めているのでした...。

 

今回はここまで。

最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。

 

Doi