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腕時計と私の日常

素晴らしき相棒ーブルガリ オクト ソロテンポ 38mm

これまで2ヶ月近くブログを更新していなかったが、その間には大きな出来事があった。それはもちろん、時計購入という自分にとっての一大イベントだ。

 

今回購入した時計は、ブルガリのオクト・ソロテンポ38mmである。

 

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前々からこの時計を手に入れる日を夢見ていた。

私とオクトの出会いは3年ほど前の事だっただろうか。私が上京する前に地元・福岡のブルガリブティックで、オクトの41mmと38mmを試着させていただいたのを覚えている。当時の印象は、他の時計には無い特別な雰囲気を放っており、吸い付くような装着感も新鮮だった。

そして何よりもデザインに惚れ込んだ。名称の通り8角形を随所に取り入れ、110面にも及ぶ複雑なケースやベルトの形状は、ダイヤモンドの如く多方向に光を反射して眩しいくらいだった。光源の色彩や強弱によって全く異なる表情を魅せた。


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それから時が経ち、インターホンの音とともに自室に届いた時は、正直現実味が無かったかもしれない。

箱を開けてベルトのコマを調整し、自身の腕に着けた時、ようやくオクトが生涯の相棒になったという実感が湧いた。


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外装の仕上げ、とりわけ文字盤とケースの美しすぎるフィニッシュには虜にされた。

多層ラッカー仕上げの文字盤は全く歪みが無く均一平坦で、非常に深く吸い込まれるような黒だ。デイト表示の窓のエッジが綺麗に立っているのは、ラッカーを重ねた後に切り抜いているから、と某雑誌で読んだ覚えがある。

アラビア数字とバーインデックスのデザインはブルガリ・ブルガリから継承されている。ひとつひとつ丁寧に面取りされ、どの角度から見ても輝いて視認性は抜群に良い。

中央がくり抜かれた針の立体的なつくりも良く、秒針が細い所が好み。


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110面もの複雑なケースを作り上げたのは、あのジェラルド・ジェンタ氏。当時のオリジナルはかなり大柄で無骨なイメージだったが、ファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニ氏の再解釈によりサイズダウンされ、全体的に控えめでドレッシーに、かつ上品になったと感じる。

ポリッシュとヘアラインの使い分けは切り立ったエッジをより際立たせ、まるで刃物のように鋭い。


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仕上がりはケースの裏まで抜かりない。5角形の特殊なネジで留められた8角形の裏蓋から覗かせるのは、ブルガリの自社製ムーブメントCal.BVL 191、通称ソロテンポムーヴ。

仕上げに関しては価格帯相応という感じで、艶のあるコート・ド・ジュネーブ装飾が美しい。特徴的なのは高級機らしいスイッチングロッカー方式の自動巻機構。受けの上に配されているお陰で、巻き上げの際スライディング・ギアの動作を眺められるのは個人的に好きなポイントだったりする。3点保持のボールベアリングにはセラミックが使われ、注油要らずで巻き上げ効率も良いのだそう。

両持ちのテンプ受けはどこか安心感があり、瞬間日送り機構を備える気遣いは嬉しい。


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オクトのデザインは金属ブレスレットありきだと思う。ケースのラグとの境界が絶妙で、ほぼ一体になっているようにも見える。

ケース側の根本からバックルにかけて細くなっていく形状で、これがまた着け心地が抜群に良いのだ。

特に根本の幅が広く腕と接する表面積が広いおかげで腕に載せた際に密着し、重心も低いため吸い付くように安定している。


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38mmというサイズがまた良い。

腕周りが15cmほどしかない私の腕にも見事にフィットしてくれる。角ばった形状であるため、体感的には40mmくらいにも見える。

これぞ唯一無二の装着感だ。

 

オクトを購入して1ヶ月が経過しようとしているが、日常に寄り添う相棒として共に時を刻む、私にとって欠かせない存在になった。

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銀座での一枚。

陽が傾いて街が灯り始める時、オクトも色づき表情を変える。

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筑波宇宙センターでの一枚。

この日は35℃を超える猛暑日で汗だくになったが、10気圧防水のオクトなら心配は無用。


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埼玉県の小川小学校下里分校での一枚。まるで時が止まったような昔懐かしいノスタルジックな風景と、先進性溢れる造形とのギャップが楽しい。広い青空の下ではオクトも青色に。

 

これから気温が下がり季節が移り変わろうとしているが、袖に見え隠れするオクトも特別な存在感を放ってくれるだろう。

 

「これからもよろしく。」