DOI WATCH BLOG

腕時計と私の日常

孤高のドイツ時計、ラング&ハイネの実機を見る。

 

こんにちは。Doiです。

今回は、先日恵比寿のウェスティンホテル内にある時計店・ノーブルスタイリングギャラリーにて行われた、「ラング&ハイネ ジャパンツアー」のイベントに出席してまいりましたので、そのレポートとして本記事を書かせていただきます。

 

このツアーは、ラング&ハイネの現・開発製造責任者であるイェンス・シュナイダー氏が日本の地を訪れ、各取扱店舗を巡ってプレゼンを行うというものだそうです。

年間生産本数が50本程度という、極めて希少なラング&ハイネは、国内での正規取扱店も当然限られるわけで、都内では伊勢丹新宿と三越日本橋、そして今回のノーブルスタイリングギャラリーの3ヶ所でしか実機を見たことがありません。また、その一つの店舗あたりに2〜3本という希少さなのです。

 

このイベントでは、来日されたイェンス・シュナイダー氏によるトークショーからスタートしました。

 

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イェンス・シュナイダー氏といえば、「ドイツ時計の宝」とも称される時計開発技術者です。A.ランゲ&ゾーネの復興に大きく携わり、時計愛好家なら誰もが知る名作「ツァイトヴェルク」の開発設計を行いました。その後にモリッツ・グロスマンで設計部門の責任者として活躍し、現在はラング&ハイネに席を移して設計を行っている、という経歴の持ち主です。

約1時間にもトークショーでは、ドイツ時計の発展についての説明やラング&ハイネのコレクションの解説等を話されていました。

 

さて、今回集まったラング&ハイネの時計はなんと8本!この数が日本国内で1度に見られる機会はほとんどないと思います。

 

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この中で最も注目されていたのは、やはり「ゲオルク」でしょう。

 

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ドイツ時計としては珍しいレクタンギュラーケースを採用したモデルです。文字盤はもちろん美しいのですが、目を見張るべきはムーブメント。中心部に列を成して配置された、脱進機までの輪列の受けは、ドイツ時計によく用いられる大きな1枚のプレートではなく、1つずつ分割されている設計になっています。それも全て鏡面に磨かれているのです。

 

続いては、私が個人的に好きなモデルである「コンラート」です。

 

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端正な顔立ちのエナメル文字盤が、39.4mmの丸みを帯びたケースに上手く調和したコンラート。

一見ごく普通の時計に思われがちですが、特徴はセンターセコンドが1秒ごとにステップ運針するということです。しかし目を凝らして見ると、クォーツ時計とは微妙に違った動きをします。そして、その動きをつくりだす機構をケースバックからじっくり眺めることもできます。

 

 

最後に、技術者イベントならではのお楽しみも。

 

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これは針やテンプ周りの部品のサンプルです。他にもサンプルパーツのボックスがいくつかありました。

完成状態よりも部品単体で見る方が、いかに手間をかけられているかがよく分かります。

 

ラング&ハイネの時計にはよく見られる「ルイ針」は、ゴールドのプレートからあるマシンを使って形を切り抜いた後、模様の立体的にするための彫金や表面の磨きなどの作業を人の手で行うのだそうです。考えただけで気が遠くなりそうな作業です...(いつか作ってみたい)。

 

 

...というわけで、ラング&ハイネの世界を堪能することができました。

 

次々と新しい時計を発表しているラング&ハイネですが、今後イェンス・シュナイダー氏の手によって、どんな機構が生み出されるのでしょうか。今後も注目していきたいですね。

 

最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。次もイベントレポートになると思います。

 

Doi